ソーシャルスキルトレーニング シナリオ解説
10161 | 女の人の表情 |
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イントロダクション (1人称視点)
どんなことを考えているのかな。
表情から読みとってみよう。
Ⅰ 楽しい (1人称視点)
Ⅱ すごく嫌だなあ (1人称視点)
Ⅲ 悲しい (1人称視点)
Ⅳ 微笑み (1人称視点)
Ⅴ しょんぼり (1人称視点)
Ⅵ うれしい (1人称視点)
Ⅶ 怒ったぞ (1人称視点)
先生や保護者が生徒を叱るとき、語気を鋭くして怒った表情をしますが、表情認知の弱い児童は、このメッセージを読み取っていないかもしれません。
このシーンでは以下の事を行います。
・ 表情から感情(驚き、恐怖、怒り、嫌悪、悲しみ、幸福など)を読みとれているかを確認する。
・ 表情から、状況の想像(「先生に怒られている」など)ができているか確認する。
・ 表情から感情を読みとる方法を学ぶ。
・ 感情を表情で表現する方法を学ぶ
導入:
① 「イントロダクション」を見せる。
② すべてのパターンを見せる。
各パターンについて、「どんな感情だと思いますか?」と聞いてみて、表情の認知が正しく行われているかどうかを確認する。
・ 怒っている。
・ 悲しんでいる。
・ 笑っている。 など
③ 「じゃあ、こんな表情になるのはどんな時ですか?」と聞いてみる。
・ 友だちに悪口を言われたとき。
・ 先生に怒られたとき。
・ 面白い話を聞いたとき。
など、できるだけ具体的に答えるように指示する。
④ ①ができなかった場合は、各パターンを再度見ながら、表情を読みとるコツを伝える。
・ うれしい時は口角が上がる
・ 困ったときは眉間にしわを寄る
・ 悲しいときは目は伏せ目がちで下がる など
展開:
① 「怒っている顔をやってみて」などと、対象児童に表情を作るように指示する。
録画機能や鏡を使って確認する。
② 「大好きなお菓子をもらったとき」、「大事にしていたおもちゃがこわれたとき」のように具体的な状況を提示し、そのときの表情を作るように指示する。
録画機能や鏡を使って確認する。
エクマンらは、驚き、恐怖、怒り、嫌悪、悲しみ、幸福といった基本的な6つの感情が額、眉、瞼、頬、鼻、唇、顎の位置や形の変化によって表情となって顔に現れるという説を提唱しました。これに基づき、大田氏らは研究*を行い、感情と表情との間に次のような関係があることを見出しました。
表情を読みとったり、作ったりするときの参考としてください。
悲しみの表情
・眉は全体的に下がる
・目は伏せ目がちで下がる
・口は結んで口角が下がる
恐怖の表情
・眉は全体的に上がる
・上瞼が持ち上がり、下瞼は下がり、両眼が見開く
・口角が下がり、上唇は上がり、下唇は下がり、口が開く
・年齢が上がるほど明瞭に額に皺がみられる
・驚きの表情を混合しやすい
嫌悪の表情
・眉は全体的に下がる
・上瞼を下げ、眼を細める
・眼の下に窪みや皺がみられる
・口角が下がり、多少口が開いて上歯が露出する
・怒りの表情を混合しやすい
幸福の表情
・下瞼が上がり、目が細くなる。
・瞳が大きい
・眼の下や目尻に皺がみられる
・上唇は上がり、下唇は下がるため口が開いて歯が露出する
・鼻翼から口角にかけて皺あるいは溝が現れる
* 表情分析 -エクマンにより提唱されている表情の特徴との比較検討-
太田 智美 田村 真理子 有田 真理子 木曽 奈央子 佐伯 行一 基礎看護学講座
より引用
・ 表情から感情(驚き、恐怖、怒り、嫌悪、悲しみ、幸福など)を読みとれたか?
・ 表情から状況の想像(「先生に怒られている」など)ができたか?
・ 表情から感情を読みとれるようになったか?
・ 感情を表情で表現できるようになったか?