ソーシャルスキルトレーニング シナリオ解説

10106

家に遊びに来ないかと誘ってみた

分類
他者の理解/表情 他者の理解/声の調子 
めあて
言葉と表情から相手の思いを理解する。
難易度
★★★
重要度
★★★
対象年齢
対象年齢: 幼児 小学生低学年 小学生高学年 中学生 高校生・大学生 成人 
対象傾向
対象傾向: PDD傾向 注意欠陥傾向 多動傾向 LD傾向 
収録
基本パック

シナリオ

イントロダクション (3人称視点)

児童A
きのう、新しいゲームを買ってもらったんだ。
児童B
ほんと。また、やらせてよ。
児童A
じゃあ、今度の日曜日、家に来ない?
児童B
うーん。

 
友だちを家にさそってみたよ。
友だちはほんとうに来てくれるかな。
声の調子や表情を見て考えよう。

Ⅰ 気があるときの返事 (1人称視点)

児童B
日曜日?考えておくよ。

Ⅱ 気がないときの返事 (1人称視点)

児童B
日曜日?考えておくよ。

指導上のヒント

 二つのパターンにおいて児童Bの返事はともに「日曜日?考えておくよ。」ですが、パターンⅠでは「行きたいけれど予定がわからない」、パターンⅡでは「あまり行きたくないから適当に対処しておこう」といった気持ちが声の調子と表情に表わされています。
 声の調子や表情の認知が苦手な子どもは、そのことが原因で日常生活でトラブルになっていることが多々あると思われます。まずは言葉の字義以外にも話し手の気持ちを推測する情報があることに気づかせることが大切です。

指導例

導入:

① 二つのパターンを見せる。
 二つのパターンにおいて児童Bの言葉が同じであることに着目させる。
② 二つのパターンの違いを考えさせる。
 「同じ」「違わない」と答える児童には、ヒントを出して、見てほしいところに注目させる。
 表情の微妙な違いや声の調子の違いに気づければ良い。また「うれしそう」「嫌そう」など感情表現ができていれば、なお良い。

展開:

① 違いは何を表しているかを考える。
パターンⅠ:「行きたい」、パターンⅡ:「あまり行きたくない」気持ちが声の調子や表情で表わされていることを知り、人は言葉の字義以外で表している感情があることに気づかせる。
② 「考えておくよ。」と発話しながら「行きたい」、「あまり行きたくない」という気持ちを声の調子や表情を変化させて表現するよう指示する。

発展:

① 児童Bの「日曜日?考えておくよ。」の返事に対して、児童Aは次にどのような言葉をかければ児童Bが家に遊びに来てくれるかをそれぞれのパターンで考える。

解説

 話し手の気持ちは声の調子や表情にもあらわれます。また、聞き手は言葉の字義だけでなく、これらの情報を統合して話し手の気持ちを推測します。
 PDDの傾向のある児童は、言葉を字義通りに解釈することが多いと言われています。これは、声の調子や表情を重要な情報としてとらえないことが原因であると考えられています。

補足

 「ぼくの家に遊びに来ない?」という疑問文を疑問文としてとらえられたか?

評価

 ・ 声の調子や表情の違いに気づくことができたか?
 ・ 声の調子や表情から話し手の気持ちを推測できることが理解できたか?
 ・ 声の調子や表情を変化させて、自分の気持ちを相手に伝えることができたか?



■ 最新情報

■ ソーシャルスキルトレーニング

■ ソフトウェアの紹介

■ ご購入の案内

■ 基本パックシナリオ解説