ソーシャルスキルトレーニング
ロール・プレイングとは
ロール・プレイングとは、日常におこる課題場面を、その場の参加者たちが役割を演じることで課題解決の手がかりを得る方法です。「役割を演じる」という疑似体験を通して、想定された課題場面が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つであり、次のような学習効果が期待できます。
- 自分で考えて行動することで問題解決する訓練になる。
- 自分の行動や感情の特徴をつかむことができる。
- 相手の感情や人間関係のパターン等について、さまざまな気づきが得られる。
- 望ましい言動や取りたい対応を、事前に試すことができる。
- 日常生活で経験したことのない新しい役割を体験できる
- やりとりを通して状況の変化をつかむことができる。
ロール・プレイングは、以下のような手順で行うのが一般的です。
- 説明
- ロールプレイのやり方や目当てなどを説明する。
- ウォーミングアップ
- 演技を気楽に行えるような雰囲気をつくる。
- 役割の決定
- メンバーの役割を決定する。
- 実演
- シナリオ通りに演じたり、即興的・自発的に演じたりする。やり直したり繰り返したりしながら、問題解決の方法を発見し、感情や思いに気づく。
- シェアリング
- 気づいたことや感じたことを言い合う。
ロールプレイから学ぶことは、上手く役割をこなすことではなく、相手の考えや感情を理解し、どのような関わりが求められるかについて深く知ることだといえます。そしてロールプレイをとおして、自分自身を知り、相手との相互理解を深めながら、信頼できる人間関係を育んでいくことが大切です。
<参考文献>
・『教育の現場におけるロール・プレイングの手引き』千葉ロール・プレイング研究会(外林大作監修) 誠信書房、1981
・『教師のためのロールプレイング入門』金子賢著 学事出版 1992
・『ロールプレイング』(新訂版)台利夫著 日本文化科学社、2003