ソーシャルスキルトレーニング シナリオ解説
10120 | 友達がレギュラー選手になって困ってる |
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イントロダクション (1人称視点)
困っているみたい。
君ならどう答える。
Ⅰ 言葉どおりに受け取る (2人称視点)
Ⅱ 言葉の裏を読む (2人称視点)
自慢話は他人にとって不愉快なことがあります。このことが分かる年齢になると、このシーンのように、悩みを打ち明ける形をとって自慢するという複雑な表現があらわれます。
PDDの傾向を持つ児童は、言葉の表層的な意味をとらえることが多いので、このような表現を理解することは苦手です。無理に説明すると「なぜ、そんなことをするのか理解できない。」「自分にはわからない。」などとパニックになる児童さえいます。
少し説明して全く分からないようだったら、「こんな表現もあるんだね。」と流してもいいでしょう。
このような複雑な表現を、その場その場で正しく理解することは困難であっても、「言葉の表層的な意味と相手が伝えたいことが同じとは限らない」という知識があれば、さまざまな場面で、言葉について考えるきっかけになると思います。
導入:
① 「イントロダクション」を見せる。
② 「君ならどうする」かたずねる。
展開:
① 二つのパターンを見せる。
② 児童Aの言葉に注目させる。
③ 言葉の表層的な意味と相手が伝えたいことが同じとはかぎらないことがあることを説明する。
④ 児童Aの本当の気持ちを理解して、もう一度すべてのビデオクリップを見せる。
⑤ 二つのパターンで、児童Bの対応について考える。
・ パターンⅠのような対応でも間違っているわけではないことを説明する。
・ 説明してもよく分からないようだったら、「こんな表現もあるんだね。頭の片隅にでも置いといて」と伝える。
PDDの傾向を持つ児童にとっては非常に難しい課題です。児童の持つ「言葉の世界」を無用に混乱させないような配慮が必要です。
・ 自慢話であることがわかったか?
・ 相手がどのようなことを望んでいるかがわかったか?
・ 言葉の表層的な意味と相手が伝えたいことが同じとは限らないことが知識として獲得できたか?